マネーフォワードへの転職はどうなの?|事業・年収・選考の見どころ【2026年】

企業研究

結論:マネーフォワードは「業務知識を武器にしたい人」に向く

結論から言うと、マネーフォワードは会計・人事・金融の業務知識を武器にしたい人に向く会社です。プロダクトの対象が企業のバックオフィスと金融機関に広がっており、ドメイン知識の価値が高い領域です。

一方で、事業の幅が広いぶん、配属される部門によって仕事の性質が大きく変わります。「マネーフォワードに入りたい」ではなく「どの事業のどの職種か」を決めて応募することが、ミスマッチを避ける近道です。

本記事では公開情報をもとに、事業の構造、働く環境、年収、選考の傾向を整理します。

基本データ|数字で見る会社の輪郭

まずは公表されている数字を押さえます。

項目内容
社名株式会社マネーフォワード
上場区分東証プライム(証券コード3994)
決算期11月
平均年収723万円(2025年11月期・単体)
平均年齢34.3歳(同)
平均勤続年数2.9年(同)
従業員数単体1,707名/連結2,839名(同)

平均年収723万円、平均年齢34.3歳。勤続年数は2.9年で、同規模の上場企業と比べると短めです。これは事業の拡大に伴って採用が続いていることの裏返しでもあります。

※ 平均年収は有価証券報告書の提出会社(単体)を対象とした数値です。連結子会社を含む全体の水準とは異なります。

事業内容|5つのセグメントと、その中身

マネーフォワードは報告セグメントを5つに分けています。「会計ソフトの会社」とだけ捉えると、配属の想像を外します。

セグメント売上高(2025年11月期)構成比
Business(法人バックオフィスSaaS)361億円71.6%
SaaS Marketing47億4,000万円9.4%
HOME(個人向け)47億4,000万円9.4%
X(金融機関・事業会社向け)31億4,000万円6.2%
Finance(ファンド)15億5,000万円3.1%
連結売上高503億4,900万円—

※ 2025年11月期の決算短信・セグメント情報。区分は2024年11月期から現在のかたちに変更されています。構成比は四捨五入のため合計が100%にならない場合があります。

Business|売上の7割を稼ぐ法人向け

クラウド会計・確定申告・人事労務・請求書・経費精算をまとめた法人向けSaaSです。法人ARRは312億6,000万円、課金顧客数は50万事業者を超えました。

このセグメントの強さは製品そのものより販売網にあります。会計事務所を通じた紹介が大きく、事務所が顧客のバックオフィスごと標準化する形で導入が広がります。したがって法人営業職は、直接の新規開拓だけでなく、事務所との関係づくりも仕事になります。

HOME|個人向けの家計管理

家計簿アプリ「マネーフォワード ME」を中心とした個人向け事業です。無料で使えて、有料プランと広告で収益を立てます。

法人向けとは顧客もKPIもまったく違い、指標は課金率と継続率です。マーケティング職の配属先になることが多く、BtoBの経験しかない人がここに入ると、商談ではなく funnel の設計に頭を切り替える必要があります。

X|金融機関と、その顧客

金融機関およびその法人顧客向けのサービスです。金融機関の法人顧客の資金管理や請求書管理をデジタル化する「Mikatanoシリーズ」、融資申込を効率化する「融資ポータル」などが含まれます。

構造が特殊で、顧客は金融機関であり、実際の利用者はその取引先という二層になります。BtoBの営業経験があっても、この形は別物です。

Finance|ファンド事業

ベンチャーキャピタルファンドの運営です。SaaSの売上とは性質が異なり、投資先の評価が損益に効きます。ここに配属されることは稀ですが、グループ全体の利益を読むときには押さえておく必要があります。

5つのセグメントが意味すること

同じ社名でも、法人営業・金融機関向け・個人向けでは、顧客も評価指標も働き方も違います。面接で「どのセグメントに関心があるか」を聞かれるのは、この差が大きいからです。「マネーフォワードに入りたい」ではなく「Businessのこの商材を見たい」と言えると、話が具体になります。

働く環境|数字から読み取れること

平均年齢34.3歳、平均勤続2.9年という構成は、30代前半の社員が中心で、外部からの採用が活発であることを示します。

  • 事業部ごとに顧客も職種も異なり、配属の影響が大きい
  • M&Aや新規事業により、組織の構成が比較的短い周期で変わる
  • 上場企業として、四半期の業績が意識される

勤続年数が短いことは、必ずしも定着率の低さだけを意味しません。事業の入れ替わりが速い会社では、在籍中に担当する領域が変わることも多く、そのぶん経験の幅は広がります。

年収|723万円という水準の読み方

2025年11月期の有価証券報告書では、平均年収は723万円です。職種別の水準は公表されていませんが、事業部ごとにインセンティブの設計が異なると考えられます。

法人向けSaaSの営業は、新規獲得と既存の拡大のどちらを担当するかで評価指標が変わります。カスタマーサクセスは継続率やアップセル、エンジニアはプロダクトの開発速度と品質が中心です。

※ 提示額は職種・等級・経験によって変わります。求人票の想定年収は幅で示されることが多いため、等級の定義を確認してください。

選考の傾向と対策

選考は一般的に、書類選考、面接数回、最終面接という流れです。職種によっては課題が加わります。

面接で聞かれること

  • どの事業に関わりたいのか、その理由
  • 前職で扱った業務領域と、その理解の深さ
  • 数字をどう作ったか、再現性のある形で説明できるか

事業が3層に分かれているため、応募時に「法人向けSaaSの営業」なのか「個人向けのマーケティング」なのかを明確にしておく必要があります。面接では、選んだ領域の顧客と課題を説明できるかが見られます。

バックオフィス領域は、顧客の業務フローを理解しているかどうかが提案の質を左右します。前職で経理・人事・金融に関わった経験がある人は、その経験を具体的に語れるように準備しておくと有利です。

向いている人・向いていない人

向いているのは、業務知識を積み上げたい人、複数の事業をまたいでキャリアを作りたい人です。向いていないのは、担当領域を長期に固定したい人、組織の変更を負担に感じる人です。

  • 向いている:会計・人事・金融の実務経験があり、それをプロダクト側で活かしたい
  • 向いている:事業の立ち上げや変更を面白がれる
  • 向いていない:配属や担当が頻繁に変わる環境を避けたい
  • 向いていない:短期的に専門性を一点集中で深めたい

企業概要|人的資本と働き方の実データ

指標数値
従業員数1,707人(提出会社)
女性管理職比率21.8%
男性育児休業取得率85.4%
女性育児休業取得率91.1%
男女の賃金の差異79.2%
有給休暇取得日数14.2日
退職率12.6%

※ 2025年11月期 有価証券報告書。従業員数・各比率は提出会社(単体)の数値です。

女性管理職21.8%は、SaaSの中では高い

国内企業の平均が10%前後といわれるなかで、21.8%は高い水準です。同業のfreeeも21.0%で、この2社は「女性管理職比率を公表しても説明できる」段階にあります。

ただし男女の賃金の差異は79.2%です。これは同じ等級でも差があるという意味ではなく、管理職に占める女性の比率がまだ低いことで全体の平均が開くタイプの数字です。等級別の差は別途確認する必要があります。

有給14.2日・退職率12.6%の読み方

有給取得日数14.2日は、付与20日に対して7割程度の消化です。平均的な水準で、突出して取りやすいわけでもありません。

退職率12.6%は、8人に1人が1年で辞める計算です。SaaSとしてはやや高めですが、事業を急拡大している局面では市場価値の高い人材が外に移る流れも含みます。「辞める人が多い=悪い職場」と短絡させず、どの職種で抜けているかを面接で聞くほうが実態に近づきます。

残業時間は開示されていない

有価証券報告書に残業時間の記載はありません。労働時間の実態は口コミに頼らざるをえないため、面接では「みなし残業の有無」と「月次の工数管理の単位」を確認するのが確実です。

よくある質問

Q. 未経験でも転職できますか。

A. 職種によります。営業やカスタマーサクセスは前職の対人経験を接続しやすい一方、会計領域のプロダクト職は業務知識が前提になることがあります。

Q. 平均勤続2.9年は短く見えます。

A. 事業拡大に伴う採用が続いているためで、在籍期間そのものより担当した領域の大きさが問われます。配属予定チームの構成を面接で確認してください。

Q. グループ会社への配属はありますか。

A. 連結子会社を含めると従業員数は2,839名と単体より多く、グループ全体での採用も行われています。求人の雇用主体を確認してください。

まとめ

マネーフォワードは、法人向けSaaS・個人向けサービス・金融機関向けの3層構造を持つ会社です。平均年収723万円(2025年11月期)、平均年齢34.3歳、平均勤続2.9年という数字は、事業拡大が続く組織の姿を示しています。

応募前には、3層のどこに関わりたいかを決めておくこと。これが面接の精度を最も大きく変えます。

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