Sansanへの転職はどうなの?|年収・1日の流れ・選考の実態【2026年】

企業研究

Sansanへの転職を考えるとき、知りたいことは「会社の説明」ではなく「自分がそこでどう働くのか」です。この記事では、公開されている有価証券報告書と求人票、そして公開されている選考情報をもとに、1日の流れ・提示される年収・入社後に後悔しやすいポイント・選考の実際までを具体的に整理します。

結論:Sansanは「商談の前線で数字を作りたい人」に向く

結論から言うと、Sansanは新規開拓とアップセルを自分で回したい人に向く会社です。名刺管理のSansan、請求書のBill One、契約書のContract Oneと、扱う領域は企業間の商談そのものです。プロダクトが商談の現場に近いぶん、成果が数字で返ります。

一方で、3つの事業のどこに配属されるかで仕事がまったく変わります。ここを確認せずに入ると、入社後のギャップが大きくなります。本記事の後半で、そこを含めて具体的に説明します。

基本データ|数字で見る会社の輪郭

まずは公表されている数字を押さえます。有価証券報告書の数値は、年度によって動くため推移で見てください。

項目2025年5月期2026年5月期
平均年間給与780万円810万円
平均年齢31.7歳32.1歳
平均勤続年数3.1年3.4年
従業員数(単体/連結)1,961名/2,235名2,077名/2,336名

※ 平均年間給与は有価証券報告書の提出会社(単体)の正社員を対象とした数値で、賞与および基準外給与を含みます。連結全体の水準とは異なります。

企業概要|会社情報・事業所・働く人の構成

転職先として見るとき、平均年収や事業内容と同じくらい気になるのが「どこで働くのか」「どんな人が働いているのか」です。公開情報をもとに整理します。

会社情報

項目内容
社名Sansan株式会社
設立2007年6月11日
上場区分東証プライム(証券コード4443)
決算期5月
本社〒150-6228 東京都渋谷区桜丘町1-1 渋谷サクラステージ 28F
従業員数2,077名(単体)/2,336名(連結)
平均年齢32.1歳
平均勤続年数3.4年
平均年間給与810万円

※ 従業員数・平均年齢・平均勤続年数・平均年間給与は2026年5月期の有価証券報告書(提出会社)によります。

事業所

国内の主な拠点は次の3つです。本社は渋谷駅に直結しており、アクセスは良好です。

拠点所在地
本社東京都渋谷区桜丘町1-1 渋谷サクラステージ 28F(JR渋谷駅 新南改札から直結)
関西支店大阪府大阪市北区堂島浜1-4-19
福岡支店福岡県福岡市博多区中洲3-7-24 WeWork ゲイツ福岡 11F

※ 求人によっては「赤坂オフィス(東京都港区赤坂2-17-22 赤坂トラストタワー)」を勤務地とする募集もあり、配属により勤務地が異なります。最新の所在地は公式サイトで確認してください。

男女比・育休・有給の実績

働く人の構成は、制度が整っているかどうかを判断する材料になります。

指標数値時点・出典
女性従業員比率36.1%2026年5月末・公開情報
女性管理職比率14.2%2026年5月期 有価証券報告書(提出会社)
男性育児休業取得率80.2%同
男女の賃金の差異81.1%同(男性を100とした場合の女性の賃金)
有給休暇取得率約78〜80%公開情報(出典により77.3%〜79.8%)

※ 女性管理職比率は、全社ベースで20.5%(2026年5月末)とする公表もあり、集計範囲・定義によって数値が異なります。応募時は最新の開示を確認してください。

残業の実態

残業時間は公式には開示されていません。複数の口コミ集計では月20〜27時間程度とされ、SaaS・IT業界の中では標準的な水準です。ただし職種による差が大きく、営業職では月30〜35時間相当の固定残業手当が設定された求人もあります。

※ 口コミサイトの集計値であり、公式の開示ではありません。求人票の固定残業時間と、超過分の扱いを確認してください。

この数字から読み取れること

女性従業員比率36.1%に対して女性管理職比率14.2%。男性育児休業取得率80.2%は高い水準で、制度としては整っていることが分かります。一方で管理職比率はまだ低く、組織の拡大に登用が追いついている段階だと読めます。

有給休暇取得率は約8割。取得自体は進んでいますが、「休みやすいか」と「休んでも評価が落ちないか」は別の話です。営業職は目標進捗の管理が週次で行われるため、面接では休暇の取り方よりも、目標管理の頻度と評価の決まり方を確認するほうが実態に近づきます。

事業内容|2つのセグメントと4つのプロダクト

Sansanの事業は、報告セグメントとしては2つに分かれています。ここを取り違えると、配属の想像を誤ります。

セグメント売上高(2026年5月期)構成比
Sansan/Bill One事業468億1,200万円87%
Eight事業67億円12%
その他2億4,800万円0%

※ 2026年5月期のセグメント別売上高。Sansan/Bill One事業にはContract Oneが含まれます。構成比は四捨五入のため合計が100%にならない場合があります。

Sansan/Bill One事業(売上の87%)

法人向けの2プロダクトと、その派生であるContract Oneで構成されます。会社の売上の大半はここです。

Sansan:名刺をスキャンしてデータベース化し、社内外のつながりを可視化するサービスです。単なる連絡先管理ではなく、誰がどの企業とつながっているかを組織で把握する点に価値があります。導入企業は大企業が中心で、営業部門の情報共有基盤として使われます。

Bill One:請求書の受領から承認、支払いまでを電子化するサービスです。紙の請求書を郵送で受け取る企業はまだ多く、そこをデータ化する需要は大きい領域です。

Contract One:契約書の締結プロセスを電子化するサービスです。法務部門の負荷を下げる目的で導入されます。契約件数は前年同期末比81.6%増の841件と、3つの中で最も伸びている領域です。

Eight事業(売上の12%)

ここが記事から抜けやすいところです。Eightは「おまけ」ではなく、売上の12%・67億円を稼ぐ第2のセグメントです。2026年5月期の売上は前年比33.0%増と、本体を上回る伸びを示しています。

Eightは個人向けの名刺管理アプリです。無料で使え、有料の「Eightプレミアム」は月額600円または年額6,000円。名刺の両面データ化や保存容量の拡張が付きます。加えて、中小企業向けの「Eight Team」があり、10名まで無料でチームの名刺情報を共有できます。

収益は、この個人向けプレミアムと法人向けのEight Team、さらにイベントや広告を組み合わせて成り立っています。2022年5月期に四半期単位で初めて黒字化しており、「薄く広く集めて黒字化する」モデルに転換した事業です。

※ 価格は2026年11月時点の公開情報です。プラン内容は変更される場合があります。

Eightがあることで、何が変わるのか

転職先として見るとき、Eightの存在は2つの意味を持ちます。

1つは顧客層の幅です。SansanとBill Oneは大企業向けですが、Eightは個人と中小企業が対象です。同じ会社でも、担当する顧客の規模も商談の型もまったく違います。

2つはキャリアの入り口です。Eight事業は個人向けのため、マーケティングやプロダクト職の比重が高く、法人営業とは求められるスキルが異なります。法人営業の経験しかない人がEight事業に配属されると、勝ち筋の作り方が変わります。

面接では「Sansan/Bill One事業とEight事業のどちらに関心があるか」を聞かれることがあります。Eightを「名刺アプリ」とだけ理解していると、事業として見ていないと受け取られかねません。

入社1年目は、1日がどう過ぎるのか

転職を決めるうえで、いちばん具体的に想像したいのはここだと思います。Sansanのインサイドセールス職について公開されている密着レポートをもとに、1日の流れを再構成すると次のようになります。

時間過ごし方
9:00チーム朝会。前日の結果を振り返り、成果が出ているメンバーのナレッジ共有
9:30〜12:00アプローチ。電話・メール・DMで見込み客に接触
12:00〜13:00昼休み
13:00〜14:00チームでの振り返り・施策の共有
14:00〜18:00アプローチの継続、商談化した案件のフィールドセールスへの引き継ぎ
18:00〜19:00記録の更新、翌日の準備

※ 公開されている密着レポートおよび求人票の記載をもとに再構成した一例です。配属チームや時期によって異なります。

注目してほしいのは、午前中の大半が「接触」に充てられている点です。インサイドセールスは、見込み客に接触して商談の機会を作る職種であり、1日の生産性は「何件接触し、何件商談化したか」で測られます。

デスクワークが中心で、1人で淡々と進める時間が長い。人と会って話すのが好きな人より、数をこなすことと、断られることに耐えられる人に向いています。この点は、フィールドセールス(AE)とは性質がはっきり違います。

いくらもらえるのか|求人票の実例で見る

平均年収810万円は「会社全体の平均」であって、自分がいくらもらえるかは分かりません。実際の判断材料になるのは、募集ポジションごとの想定年収です。

2026年時点で公開されているSansanの求人票には、次のようなレンジが示されています。

ポジション想定年収備考
インサイドセールス(例1)812万〜1,288万円経験・能力に応じて決定
インサイドセールス(例2)622万〜841万円配属部署により異なる/昇給年1回・賞与年2回

※ 上記は公開求人票の記載例です。職種・等級・経験によって変動し、現在も同じ条件で募集されているとは限りません。

ここで押さえるべきは、同じ「インサイドセールス」でも600万円台から1,200万円台まで幅があるという点です。この差は等級と経験年数で決まります。面接の終盤で「この求人はどの等級か」を確認すれば、自分の水準が判断できます。

また、固定残業代を含む求人では、月額の内訳(基本給/固定残業手当)と固定残業時間が明示されています。残業がそれを超えた場合に追加で支払われるかは、必ず確認してください。

年収を確認するときの3つの質問
① この求人はどの等級ですか
② 想定年収のレンジのうち、どのあたりが提示されますか
③ インセンティブはありますか。ある場合、評価期間と指標は何ですか

入社後に後悔しやすい3つのポイント

ここが、企業の採用ページには書かれていない部分です。公開されている退職検討理由の傾向と、事業構造から読み取れるつまずきを整理します。

1. 配属されたプロダクトが、志望と違う

Sansanには3つの事業があります。面接で「Sansanが好き」と伝えても、配属はBill OneやContract Oneになる可能性があります。名刺管理のイメージで入ると、請求書や契約書の営業に戸惑う声があります。配属希望は、選考の途中で必ず伝えてください。

2. 目標のプレッシャーが、想定より強い

公開されている退職検討理由には、成果へのプレッシャーや目標の高さを挙げる声があります。毎週の進捗報告がある環境で、数字が常に意識されます。これは成長企業としては自然な設計ですが、数字に追われる働き方を避けたい人には向きません。

3. 組織変更で、担当が変わる

事業が3つあり、組織の変更が比較的頻繁に行われます。入社時の担当と1年後の担当が同じとは限りません。役割の変化を面白がれるかどうかが、定着を分けます。

なお、退職率については「高い」という言説も見られますが、公開されている退職率の定義は一般的な離職率とは異なるため、単純な比較はできません。判断材料としては、勤続年数(3.1〜3.4年)と、面接で配属予定チームの構成を確認するほうが確実です。

選考の実際|何回、誰と、何を聞かれるか

中途採用の選考フローは、公開されている情報によると次の流れです。

回数面接官時間の目安
一次面接マネージャー(課長級)と1対11時間程度
二次面接部長級と1対11時間程度
最終面接希望部署の担当役員と1対1—

※ 職種・時期によって回数や面接官は変わります。あくまで公開情報にもとづく目安です。

実際に聞かれた質問

公開されている選考体験談では、次のような質問が報告されています。

  • これまでで一番頑張った経験は何か。なぜそれを大事にしたのか
  • 「失敗」とは何か。失敗したと感じた経験は何か
  • これまでに苦手だと感じた業務は何か
  • これまでの業務経験と、そこで出した成果

共通しているのは、出来事そのものより「なぜそう考え、どう動いたか」を聞かれている点です。成果の数字だけを並べても評価されにくく、判断のプロセスを説明できるかが見られます。

また、Sansanの営業は数値をもとに仮説を立ててPDCAを回すことが求められるため、面接でも過去の営業活動で数字をどう分析し、どんな仮説で動いたかを問われます。前職の実績を「結果」ではなく「再現手順」として語れるように準備しておくと差がつきます。

逆質問で確認すべきこと

  • 配属予定のプロダクトとチームの構成(何名か、年齢層は)
  • 担当する顧客の規模と、新規か既存かの比率
  • 等級の定義と、昇格の条件
  • 勤務形態(出社頻度、リモートの可否)

働く環境|数字から読み取れること

平均年齢32.1歳、平均勤続3.4年という構成は、20代後半から30代前半の社員が中心であることを示します。

  • 事業が3つあり、配属によって顧客層も商談の型も変わる
  • 上場企業であり、四半期ごとの数字が意識される環境
  • 平均年齢が若く、管理職のポジションも比較的早く巡ってくる

勤続3.4年という数字を「短い」と読むか「キャリアのステップとして妥当」と読むかは、立場で変わります。いずれにせよ、在籍中に何を担当したかが問われる会社です。

向いている人・向いていない人

ここまでの内容を、判断しやすい形にまとめます。

向いている人

  • 法人営業として数字に責任を持ちたい
  • 断られることを気にせず、数をこなせる
  • プロダクトが変わっても適応できる
  • 顧客の業務を理解して提案を組み立てたい
  • 若いうちから裁量を持ちたい

向いていない人

  • 決められた業務を淡々とこなしたい
  • 配属や担当が変わることを負担に感じる
  • 短期間で特定の専門性を深めたい(事業変更で担当が変わりやすい)
  • 数字に追われる働き方を避けたい

よくある質問

Q. 未経験でも転職できますか。

A. 職種によります。営業職は法人営業の経験が問われることが多く、カスタマーサクセスやコーポレート職は前職の経験を接続しやすい領域です。求人ごとの必須条件を確認してください。

Q. 平均勤続3.4年は短く感じます。

A. 若い組織では、在籍期間そのものより「在籍中に何を担当したか」が問われます。面接で配属予定チームの構成を確認するのが実務的です。

Q. リモートワークはできますか。

A. 職種と時期によって運用が変わるため、公表情報だけでは判断できません。逆質問の時間に勤務形態の実態を確認してください。

Q. 3つの事業のどれに配属されますか。

A. 選考の状況と希望によって決まります。募集ポジションが特定のプロダクトに紐づいている場合は求人票に記載があるため、応募前に確認してください。

まとめ

Sansanは、BtoBの商談に近いプロダクトを持ち、営業として数字を作りたい人に向く会社です。平均年間給与810万円(2026年5月期)、平均年齢32.1歳、平均勤続3.4年。若く機動的な組織で、配属されるプロダクトによって仕事の中身が変わります。

応募前に決めておくべきは、3つの事業のどこに関わりたいかと、どの等級を狙うかの2点です。この2つが決まっていると、面接での会話の精度がまったく変わります。

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